どうも、青葉飛鳥です。
今回は、先日投稿しました『スーパーマーケットに関する一考察、のお話』の後編になります。
前編をご覧になっていない方はぜひこちらからどうぞ。
前回は、お金と数字に関するお話がメインでした。
今回のメインとなるのは”人”について。
よろしければ、最後までお付き合いくださいませ。
スーパーマーケットと人について
人手不足
さて、スーパーマーケットだけでなく。昨今の”仕事”についての話題で避けて通れないのが人手不足の話だ。
御多聞に漏れず。
小売業や販売業も、やはりこの人手不足という問題の解決が課題になっている。
とはいうが、実際のところはどうなのか。データを使ってみていこう。
正社員の話
資料*1によれば、一店舗当たりの正社員数は13.6人。うち管理職が3.3人となる。
これはつまり。店長やなどを除き、各部門に振り分けられる正社員の人数は10名ほどということを意味している。
さてここで、一般的なスーパーにおける部門の数を確認してみることにしよう。
1.グロサリー*2 2.青果 3.鮮魚 4.精肉 5.惣菜 6.雑貨 7.レジ 8.ベーカリー
お気づきになっただろうか。ベーカリーや雑貨などの、店舗により有無が変わる部門を除いたとしても。
各部門に正社員が二人いないのである。
例えば、各部門に正社員が2人いた場合。理論的には公休を調整することによって正社員がいない日というものをなくすことができる。
しかし、この数値を見る限りでは。多くの店舗でそれができていないように思える。
パートと契約社員の話
資料によれば、各店舗のパート・アルバイトの比率は72.1%であるらしい。*3
10人中7人強はパートアルバイトということになる。
ちなみに、この72.1%という数字は、決してべらぼうに高いというわけではない。
少し古いが、こちらの記事を読む限りでは、外食やサービス産業。小売業などの多くが70%以上の数値になっていることがわかる。
とはいえ、目を見張るべきは非正規雇用者の比率自体ではなく。
そこからもう一歩踏み込んだデータになる。
それは、パートアルバイトに占める高齢者比率。
スーパーマーケット業界では、22.5%*4が高齢者となっている。
つまり、パートが10人いた場合、2人は65歳以上の高齢者ということになる。
実際、これは私も店舗で働いていてその比率の多さを感じたところでもある。
皆様もなんとなく、おばあさんやおじいさんがたくさん働いてるなぁという印象を持ったことがあるかもしれない。
企業からすれば、人手の足りないこの状況で。
長年の勘と技能と知識を持ち、まだそれなりに働ける人間というのは喉から手が出るほど欲しい人材だろう。
数値で見る人手不足
さて、上でも書いた高齢者の雇用の背景にあるのは。
やはり人手不足の四文字に尽きる。
それをわかりやすく示してくれるのが、
想定に対する人数比率*5だ。
つまるところ、「これだけ人手が欲しいのに、実際にはこれだけしかいないよ。」という数値だ。
ずばり、正社員の充足率は89.2%。10人欲しいところで9人集まらないといった具合だ。
なにが面白いって、この89.2%という数字は前年比マイナスなのだ。もしかしたら、これから70%台くらいにまで落ち込むかもしれない。
この正社員の充足率の低さは、パートやアルバイトにしわ寄せされるわけだが。
そのパート・アルバイトの充足率は、86.4%。
こちらも足りない。そして、またしても前年比マイナスである。
正社員が足りないところをパートアルバイトで補う。
というシステムが、数字上ですでに崩壊しているのである。
人手不足を解消できるのか
大手は可能性があるが、中小には…
結局、気になるのはこの点だと思う。スーパーで働いていた私の見解は、
”中小のスーパーには無理。大手ならなんとか”である。
大手のスーパーは、その資金力と物量でもって。
お客様のニーズをとらえ新しい商品をどんどんと投入していく。
そしてそれがウケてまた新しい商品を…といったサイクルが作りやすい。
そしてなおかつ、金儲けの際の無駄が少ない。
そうしたことによりできたある程度の余裕で、新しく人を雇い。
上で書いた好循環を強化していくことができると考えるからだ。
しかし、中小のスーパーはどうだろう。
まず、商品開発や新しいニーズを獲得するために割けるリソースが少ない。
そして今のままの経営を続け、余裕がなくなり人も・・・という悪循環が出来上がる。
もっとも、中小の場合は社長や会長のこだわりが強く。どうも商売っ気のない会社もある程度見受けられる。私の会社のように。
人情や会社同士の付き合いも大事だが、どうも合理性で舵を切りにくいのがそういった企業の特徴ではないかと思う。
その結果、悪循環で消滅、ないしは大手に飲み込まれていく未来が見える。
現場レベルでの改善では不可能
この悪循環に飲み込まれないように、多くの企業で努力が行われていることだろう。
しかし、現場でのちょっとした節約や改善策は。どうもこうした空気を打開できるウルトラCにはなりえない。
トップダウンで動くことが多いなら、その上がしっかりと先を見据えで大きな改革を行わなければならないのだ。
はたして、昔からある企業のどのくらいが。そういった方向に。
明るい未来へと進んでいけるのだろうか。
〆
いや、なんというか暗い話ばっかりでしたね。
でも、調べれど調べてど、本当に明るい話題が出てこないんですよこの業界。
Amazonに地域の本屋が潰されたとか、商店街が大型商業施設のおかげで消えていったーなんてのもう聞き飽きた話題ですが。
やっぱり、そうしたところが消えていくには消えていくだけの理由があるんだなと。
はたして、生き残るだけの理由を掲げられる店がどれくらい現れるか。
私、気になりま(ry