兼業Pのカタコト語録

デレマスの、エンタメのことや想いやもやもやを文字にする場所。

『あいくるしい』歌詞の同性愛説を考える、のお話

 どうも、青葉飛鳥です。

 今回も今回とて歌詞考察みたいな何か。

題材は、『あいくるしい』


【楽曲試聴】「あいくるしい」(歌:佐久間まゆ、小早川紗枝、水本ゆかり、三村かな子、速水奏)

 

 原曲は、佐久間まゆと小早川紗枝の二人によって歌われていて。

後にデレステの方にも水本ゆかり、三村かなこ、

速水奏の三人を加えたバージョンが実装されました。

 

 今回は、そんな”あいくるしい”人について歌った曲のお話。

 

 よろしければ最後までお付き合いください。

 

 

 

そもそもの発端

 そもそもこの記事を書こうと思ったのは、

某動画サイトでのコメントがきっかけでした。

「この曲の同性愛説好き」

 

えっ、ちょちょちょちょっとまってー!。

とサマカニのノリでいろいろと検索したら、

どうやらそれなりの支持を得ている説の模様。

 

せっかくなので、自分でも考えてみようと思った次第です。

好きな曲だしね。担当が歌ってる曲だし。

 

 

タイトルの解釈

 青葉さんの担当アイドルの佐久間まゆのソロ1曲目。

『エヴリデイドリーム』でも似たような話題があったけれど。

この、”あいくるしい”にどういった字が充てられるのか。

 

 まず出てくるのは、愛くるしい

goo国語辞典によれば、「愛嬌があって、かわいらしいさま」*1とのこと。

 

そして、二つ目が”愛・苦しい”。日本語としては少し変なところがあるけれど、

要は「愛するのが苦しい」という解釈でいいのかなと。

 

最後は、”哀・苦しい”。

「哀しくも苦しい」という、上二つに比べると少し暗めな解釈になる。

 

と、ネット上で見られるのはこの辺りだろうか。

正直、全部当てはまるんじゃないかなぁというのが私の考え。

 

 1つ目は普通にそのまま。好きな人という言葉に言い換えることもできます。

もっとも、この曲には好きという言葉は一度も出てはきませんが。

 

 

この曲で気になる表現

何も言えはしないけど

 1番のAメロ部分。

「だけどあの日~(省略)~思わなかった」などの部分を見ると、

普通の恋の話にも思えるんですが、その締めの部分が、

「何も言えはしないけど」

 

 例えば、普通の恋愛ソングであれば。

「好きだけど恥ずかしくて言えない。」「言ったら気持ちを認めることになる。」

みたいなのが多いんですけど。この曲ではたった一言。上のようになるわけで。

 

 

草かき分け歩き続けたこの道が全てだったから

本当の自分をさらけ出すのは怖かった」

 

上の部分はいうなれば、

「今までの自分の人生を普通に生きてきて、その中で生まれた特別な気持ち。

その気持ちがその”普通”ではないことに気が付いて。それをさらけ出せない。」

だから、これは好きとか認めるとかじゃなく。

「何も言えない」という言葉になるんじゃないかなと。そう思うわけです。

 

 

急になんか正解の風に流されたような

 この曲の発表当時から、なんか独特の言い回しだなぁと思っていたこの部分。

ちなみに、このサビの部分に至るまでの歌詞は以下のような感じに。

 

「あいくるしい人に会えたから 永遠を確かめるように背中を見つめてみた

急になんか正解の風に流されたような」

 

 ここの私の解釈はこう。

「愛くるしい(もしくは哀苦しい人。もしかしたら両方かもしれない)に

出会えた私は、その人との未来を想像して背中を見つめてみた。

でも、そこで風が吹く。

「それは正しい道じゃないよ。つらい道だよ」とその風に言われた気がして。

つい流されてしまいそうな自分がいた。

 

 愛したいけど愛することができない人。

愛しても苦しくて険しい道になるような人。

そんな人を、この主人公は愛してしまったんだなと。

そういうことがわかるようなところなのかなと、そう思うわけで。

 

  そのあとには、

「私の願いなんて単純なものだよ いつも通りに…」

 そんな恋だから、成就しなくてもいい。ただ、今のままでいられれば。

ということなんだろうか。

 

 

 特別じゃないけど当たり前の幸せ 

 Cメロ部分に出てくるこの歌詞。この、特別ってなんだろう。

好きになっちゃいけない人を愛することも特別だろうし。

普通の恋愛で友達から恋人へと変わることも、特別な幸せといえるかもしれない。

 

 ただ、このCメロではっきりわかることもある。

それは、この主人公がその”特別な幸せ”を掴めなかったことだ。

掴もうとはしたのかもしれない、けれど。

 

「当たり前の幸せ 選んでみたんだ」

「やっぱ君は最高のトモダチだ」と あなたが笑うから 笑う

 

 愛くるしい人を前に。

気持ちを言い出せずにただ笑うことしかできないのは。

辛い。というか切ない。

 

 

同性愛を匂わせる要素はある、が

 さて、ここまでまとめてみて思ったのは。

 「確かに、同性愛を匂わせる要素はある。けれど…」ということ。

 

 例えば、愛することが苦難の道になるという関係は同性愛だけに限らない。

普通に考えれば、身分の違いとか、軍人との恋とか。

そういう恋愛だって苦難がつきものだ。

 

でも、今回は特にそういった表現は見られない。

 

歌詞を見る限りでは、同い年や年齢が近い二人。

身分の違いもあるようには見られない。*2

 

 とはいえ、そのうえで愛苦しい人となると、

同性の相手というのも充分解釈可能な範囲に入ってくると考えられる。

 

「何も言えない」の部分とか、「正解の風に流されたような」の部分が。

そういう要素を匂わせる特に顕著な言葉なのかなと。

 

 ただ、「すごい距離の近い異性との話。」、

とも取れないこともないのもまた事実。

距離が近すぎるが故の「最高のトモダチだ」なのかもしれない。

 

愛苦しいと解釈しても、

相手に意識されてないということにも取れる。

 

 とまぁいろいろと書き綴ってみたけれど、

個人的にはやっぱり同性への愛を歌った曲なんじゃないかなぁと。

 

 まずは、そういう曲だよ と意識して聞いたときになんにも違和感がないこと。

それは歌詞も、あいくるしいというタイトル自体の解釈もそうだし。

 

 あとは、禁じられたというか。障害のある愛のある感じが滲みでていること。

 

 今の時代、こういった人たちがいるのは普通だけれど。

この曲の主人公に関して言えば、

草かき分け歩き続けたこの道が全てだったから

 

そういった気持ちに折り合いがつけられない、

悩んでしまうような結果になってしまったのかもしれない。

 

 

最後の、

「いつも通りに…」が二回なのは、そういったことの表れなのかもしれない。

いつも通りにいたいし、あなたが笑うから私も笑う。でも…

そういう解釈もできるんじゃないだろうか。

 

願わくば、この主人公の青春の日々が未来の幸せとならんことを。

 

 

 

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*3

 

 

編集後記

 というわけでいつものおまけです。

あいくるしい、発表当時は「推しの曲やん!」ってなりまして。

実際聞いて、「うわっ、なにこれしんど」くらいにしか思ってなく。

 

 歌詞も、なんとなーく見るくらいでした。

というのも、楽曲において私が歌詞を意識し始めたのは割と最近だったりします。

 

 ただ、曲調やメロディーだけじゃなくて。

歌詞という側面からも曲を見ることで。その曲をもっと好きになれるという。

そういうメリットを発見いたしまして。

 

人生、知らないことを知るのは楽しいなぁと実感する毎日であります。

 

 さて、次はなんの曲を意識して聞こうかな。

 

 

 

*1:愛くるしい(あいくるしい)の意味 - goo国語辞書

*2:身分の違いがあるなら、トモダチにはなりにくいだろう。

*3: 原曲はこちらのブルーレイの特典に収録されています。